「人手不足なのに仕事がない?!」人手不足が深刻な業種、逆に余剰な業種と人手不足解消の解決策について解説
みなさんこんにちは、メディア編集部の益田です。
人手不足を感じている企業は日本の中小企業の半数以上に及びますが、
人手不足の業種、人手余剰の業種は一体どのような業種でしょうか?
「人手不足なのに仕事がない…」ということが起きています。
そして今すぐにできる人手不足解消方法も解説いたします。
目次
人手不足が深刻な業界はどこか?
(※出典:<速報>人手不足に対する企業の動向調査(2023年5月)https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p221007.pdf)
2023年5月の帝国データバンクでのデータでは、人手不足の業界はこのようになっています。
<正社員で人手不足 6割を超えている業種>
1.情報サービス<第3次産業>
2.人材派遣・紹介<第3次産業>
3.メンテナンス・警備・検査<第3次産業>
4.建設<第2次産業>
5.旅館・ホテル<第3次産業>
<非正社員で人手不足 6割を超えている業種>
1.旅館・ホテル
2.飲食店
IT化の波が押し寄せているためか、IT人材の需要が高まっており、情報サービスの人手不足企業の割合が7割を越えています。
上記の業種に加えて、その他慢性的に人手不足だと言われている業界は、
・運送業界
・介護福祉業界
・保安業界
・農業、林業、水産業界
です。順に説明していきましょう。
IT業界<第3次産業>
IT業界は、時代の流れでDX化を推し進めたい潮流なこともあり、需要が高まっていると言えます。
それに対応可能なスキル人材が圧倒的に不足しています。
そしてスキルを身に着けるには時間と労力がかかるため、すぐには人手不足も改善していきません。
加えて、長時間労働が横行している業界でもあり、華やかそうに見えて過酷な労働状況です。
ストレスや納期のプレッシャーに耐えられない人も多く、個人が持続可能な働き方にシフトしていくことが求められています。
需要が増えていることもあり、今後しばらく人手不足状態が続く業界だと言えるでしょう。
建設業界<第2次産業>
建設業界は、3K(きつい・汚い・危険)のイメージが未だに根強くあります。
その影響から、若い入職者が減っているのと、今まで建設業界を支えていた作業員たちが高齢化を迎えて大量退職していっています。
そのため、建設業従事者が減っている状況です。
労働環境が良くなく、
・社保の加入率の低さ
・給料の低さ
・長時間労働の横行
などが後押しとなる形で建設業は人が集まりにくい業種となってしまっています。
国もこれらを是正すべく対応策を打ち出していますが、人手不足が依然として続いています。
運送業界<第3次産業>
運送業界は、長時間労働にもかかわらず低賃金であるというイメージがあります。
昨今のインターネットショッピングの隆盛に伴い、圧倒的に仕事量が増大しています。
そのため求人数は増えていますが、業界全体のイメージが悪く、入職者が増えず人手不足状態になっています。
女性の登用も叫ばれていますが、女性の入職は少なく、女性が働きにくい職種となってしまっています。
運送業界のイメージが悪いため、若い入職者が少なく、人手不足状態となっています。
宿泊業界<第3次産業>
新型コロナウイルス流行以前と比べて、一時的に宿泊者が減ったものの、
インバウンドが復活してきていることもあり、宿泊施設の需要が高まっています。
従業員を減らしていた旅館やホテルも今後の需要に備えて新たに人材を確保する必要が出てきています。
(※出典:JNTO(日本政府観光局)「訪日外客統計」)
比較的入職者は多いものの、長時間労働が横行していることや、圧倒的な離職率の高さ(全業種のうち1位)や低賃金が追い風となり、人手不足状態となっています。
労働力確保のため外国人労働者を雇用しようにも、円安で人が集まらない状況です。
人手不足状態のため、予約やチェックイン業務をDX化したいと考える宿泊施設が増えています。
飲食業界<第3次産業>
飲食業界は8割のアルバイト、2割の正社員で構成されているとも言われており、アルバイトの確保が急務です。
労働環境の悪さもあり、人が集まらなくなってきています。
長時間労働や残業が横行していることや、お客様商売であるがゆえにクレーム対応があることで精神的にもきつい仕事ですが、
立ち仕事であることから体的にも決して楽とはいえない仕事内容です。
人手不足の職場は従業員にそのしわ寄せがくるため、更なる労働環境の悪化が進み、
離職に繋がっていき、人手不足状態が是正されていかない状況となっています。
介護福祉業界<第3次産業>
高齢化が進み、介護を必要とする人が増え需要が増えている中で、
限られた介護職の希望者を事業所が取り合う構図となっています。
また、業界全体として人と関わる業種であることで、やりがいを感じることができる半面、
介護者との関係に悩んだり、ストレスも多くなる業種であるといえます。
女性が従事することも多い業種ですが、ライフスタイルの変化に対応してもらえないことや、
同僚とのコミュニケーションが取りづらいことや、
依然として3K(きつい・汚い・危険)のイメージがあることや仕事の大変さにも関わらず低賃金であることなどで、人手不足状態が続いています。
保安業界<第3次産業>
保安業界とは、事件や事故、災害から私たちを守り、安全な暮らしが送れるように社会を支えてくれている業種を指します。
危険な状況や緊急を要する場面での活躍が期待されることから、日頃の訓練に耐える体力と的確な判断力、どのような状況でも命令を順守する規律正しさが求められます。
・警察官
・消防士
・救命救急士
・自衛官
・海上保安官
その仕事柄、休日にも出勤しなければならないことや、勤務時間が不規則なことから生活が不規則になってしまうことや常に危険と隣り合わせであること、体力と精神力が求められる職種であることが挙げられます。
警備を必要とする施設は増える一方で、かつ女性の警備員がなかなか増えていかないということもあり、人手不足状態が続いていると言えます。
農業・林業・水産業界<第1次産業>
農業、林業、水産業界ともに、従事者が高齢化により、事業が継続できなくなってしまっていること、
外で仕事をするため体力的にきついにも関わらず、低賃金であることが人手不足の要因となっています。
第1次産業である農業・林業・水産業界は国の根幹を作り上げる大切な業種ですが、
そのような理由のため新規従事者がなかなか増えていかないという問題を抱えています。
2.逆に人手過剰な業界はどこか?
(※出典:帝国データバンク「人手不足に対する企業の動向調査・2020年10月)
人手過剰としている業種の第1位は旅館・ホテルで、
インバウンド需要に支えられて人手不足状態が続いていましたが、新型コロナウイルスの影響で観光客の大幅な減少や外出自粛が続き、人手が過剰となったようです。
第2位の飲食店も、店舗の営業時間制限があったことで、一時的に人手が余剰となったようです。
人手不足の時代に、外国人労働者の採用やDX化・AI化で少ない人員でも会社を回していくため、対応してきたのは良いのですが、
今後は、外国人労働者とAIに仕事を奪われて人手余剰となっていくと予想されています。
ここでも人材不足の業種と、人材余剰となる業種のミスマッチが発生し、
会社と求職者の上手なバランスが取れない状態が続くと予想されています。
厚生労働省が出した2022年の人手不足業界のデータ
(※出典:https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/roudou/19/dl/19-1.pdf)
厚生労働省のデータによると、
正社員での人手不足感が強い業種は、
「製造業」・「建設業」「学術研究,専門・技術サービス業」「情報通信業」「不動産業,物品賃貸業」「サービス業(他に分類されないもの)」「運輸業,郵便業」
パートでの人手不足感が強い業種は、
「生活関連サービス業,娯楽業」「サービス業(他に分類されないもの)」「金融業、 保険業」「不動産業,物品賃貸業」「卸売業,小売業」「製造業」「運輸業,郵便業」
正社員の方が人手不足感が高いことに加え、そのうち製造業・建設業が特に人手不足感が高いということがわかります。
人手不足となった原因は何か?
少子高齢化
少子高齢化で働き手である15~64歳の人口が減少しており、
仕事の需要に対して働き手が間に合っていない現象が起きています。
少子高齢化が進み人口減少が止まらない日本では、人手不足は今後ずっとついてまわる問題となっています。
企業と求職者のミスマッチ
企業側が求人広告を出しても応募が少なく採用に繋がらないため、企業は人手不足に陥っていると言えます。
働き手である人口が減少しているため、仕事の求人数の方が多く、求職者は引く手あまたとなっています。
そのような状況下では、求職者は自分の希望に合った、好条件の仕事に就こうとします。
加えて、現代では求人広告掲載量が多く、求職者になかなかリーチしないということも起きています。
人口の都心集中化
好条件の仕事を求めて地方から人が都心へ移動すると、都心への一極集中化が起こります。
優れた住環境を求めて、地方の田舎から人が都心へ移動し、
田舎はさらに過疎化し、地方の中小企業に人が集まらなくなっています。
このような理由も相まって、企業が人手不足に陥ったといえます。
人手不足なのに仕事が無いと言われる理由
企業と求職者のミスマッチが起きているせいだと言われています。
有効求人倍率が1より大きい時は、求職者(多)<求人数(少) で、
1より小さいときは、求職者(多)>求人数(少)となっています。
全体的に有効求人倍率が前年度に比べて上がっています。
建設の数値が圧倒的に高く、求人数がとても多いことを示しています。
一方一般事務は求職者数の方が多くなっており数値は1以下(0.29)となっています。
一般事務の職に就こうと考えている人が求人数よりも多いということになります。
建設は求人数の方が多くなっています。
このように企業の募集している仕事と求職者の就きたい仕事に隔たりがあることで、
人手不足なのに(企業側)「就きたい」仕事がない(求職者側)ということが起きます。
そのため、「人手不足なのに仕事がない!」のです。
業界側で今すぐできる人手不足対策とは
1.ダイレクトリクルーティング
今いる従業員の知り合いに入社を打診する方法です。
2.ソーシャルリクルーティング(SNSでの採用活動)
従来の採用活動に比べて安価で運用ができます。
3.多様な働き方の受容
従業員の短時間勤務の導入・・・働く時間を少なくして負担を減らすことで定着してもらうことが目的です
女性の活用・・・従来は働きに出るのが難しいとされていた女性が社会で活躍できるように支援
外国人・高齢者の採用・・・組織への多様な価値観の流入にも繋がります
業務委託やフリーランス・・・高スキル人材は正規採用するのに時間と労力がかかりますが、業務委託やフリーランスであれば、高スキル人材を簡単に労働力として利用することが可能です。
人手不足解消には地方自治体の協力と給与アップが鍵
地方自治体の協力
地方への就職を斡旋するためには、地方自治体との連携が必要だと言えるでしょう。
行政とタッグを組み、あなたも地元に帰ってきて就職しませんか?や
うちの町にはこういういいところがあるので、ぜひ引っ越してきませんか?という就職斡旋の動きが多々みられています。
就職活動を行う際、地方への交通費がネックとなり、就職活動に結びつかないこともありましたが、
地方の企業も積極的にwebセミナーでの説明会を導入することで、求職者の負担を少なくして採用に繋げようとしています。
https://local-syukatsu.mhlw.go.jp/job_offering/?place=&result=true
各県の取り組みが見れますので、ぜひご活用ください。
給料アップ
給料アップは目に見えて効果が出やすいですが、
安易な給料アップは首を絞めることにも繋がりますので注意が必要です。
現状では給料の引き上げが可能だからといって、金額を上げたとしても、好景気がいつまでも続く保証はありません。
その時に給料を引き下げようとしても、その時に従業員からの理解が得られず、離職率の向上に繋がってしまっては本末転倒となってしまいます。
基本給の減額の場合は、原則従業員の同意が必要となるため、注意が必要です。
しかし、賞与の場合、会社の業績悪化を理由として賞与を減給しても、基本給の減額のような問題は生じません。
会社経営においては、従業員の生活がかかっていますし、長期的な目線で慎重に決定を下していただきたいと思います。
まとめ
人手不足の解決には、自動化できるところは自動化して、人の手を必要とする場所には適切な人員配置を行うことが大切です。
中小企業のお困りごとを熟知しているプロに任せることで、最小の労力とコストで問題を解決し、外部の視点から問題解決を行います。ぜひ一度ご連絡をお待ちしております。
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