深刻な人手不足に陥っている日本の「地方」中小企業、その原因と対策について解説!
みなさんこんにちは、メディア編集部の益田です。
「都市部に比べて地方の人手不足が深刻な気がする…」
「うちの会社は田舎だし、人がなかなか集まらない…」
そう嘆いている社長さんも多いと思います。
都市部に比べて、地方の人手不足は深刻だと言われています。
地方だとしても、対応策はありますので、是非参考にしていただければ幸いです。
目次
地方における人手不足の状況とは
地方での人手不足がわかる指標の一つに有効求人倍率があります。
有効求人倍率とは、「仕事の数(有効求人数)」を「仕事をしたい人の数(有効求職者数)」で割った数値です。
「1」より大きい=求人数(仕事の数)が多く、働き手が足りていない
「1」より小さい=求職者(仕事をしたい人の数)が多く、仕事探しが難しい
では、有効求人倍率の全国都道府県別データを見てみましょう。
全国 1.34
1 福井 1.97
2 島根 1.75
3 石川 1.69
4 岐阜 1.69
5 東京 1.67
6 広島 1.64
7 新潟 1.63
8 山口 1.63
9 山形 1.61
10 富山 1.59
11 長野 1.58
12 鳥取 1.58
13 岡山 1.58
14 群馬 1.54
15 香川 1.51
16 福島 1.50
17 山梨 1.50
18 宮崎 1.50
19 秋田 1.48
20 茨城 1.48
21 愛媛 1.47
22 熊本 1.44
23 愛知 1.43
24 三重 1.43
25 大分 1.42
26 宮城 1.39
27 鹿児島 1.36
28 佐賀 1.35
29 岩手 1.34
30 静岡 1.33
31 大阪 1.31
32 徳島 1.29
33 奈良 1.27
34 京都 1.23
35 高知 1.23
36 栃木 1.22
37 福岡 1.22
38 北海道 1.18
39 青森 1.18
40 長崎 1.18
41 和歌山 1.15
42 滋賀 1.14
43 埼玉 1.10
44 兵庫 1.04
45 千葉 0.99
46 沖縄 0.98
47 神奈川 0.92
(※出典:厚生労働省 令和4年9月 有効求人倍率 都道府県別データhttps://www.mhlw.go.jp/content/11602000/001003848.pdf)
全国平均が1.34なので29位以上が人手不足感がある都道府県ということがわかります。
大都市である東京を除き、地方による人手不足が起こっていることが分かります。
地方が人材不足・人手不足に陥る原因は何か?
(※出典:図表3-1-1-5 過去10年間での就業者数の増減https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h27/html/nc231120.html
(2003年→2013年の増減数))
こちらの表を見ると、東京圏に就業者が圧倒的に集まっているのが分かります。
地方の人材が仕事を求めて、東京に向かっていることが容易に予測できます。
このように、地方の人材は都会に出ていき、地方の求人がさらに難航していくのです。
(出典:労働市場の未来推計2030 https://rc.persol-group.co.jp/thinktank/spe/roudou2030/files/future_population_2030_4.pdf)
地域ごとに労働人口の不足数が出ています。
東京と神奈川で大幅な労働力不足が予測されています。
地方が人手不足に陥る原因は、
地方に仕事がない
↓
都市部に仕事が集中する
↓
地方の人口が減少し、都会に流出する
↓
さらに地方の人口が減少する
↓
地方衰退
こういった負のスパイラルに陥っています。
人手不足は、地方の衰退を引き起こし、地方の衰退は日本の衰退を引き起こします。
人手不足はもはや中小企業の企業努力の問題ではなく、
国全体で対策を講じていかなかればならない問題となっています。
地方の人手不足で特に深刻な業界や業種とは
(※出典:全国企業倒産集計2019年12月報・2019年報 https://www.tdb.co.jp/tosan/syukei/pdf/19nen.pdf)
業種別に見ると、7 業種中 5 業種で前年同月を上回った。
小売業(162 件、前年同月比 20.0%増)は競争激化や消費者の外食離れの影響を受け、
飲食料品小売(28 件、同 12.0%増)や飲食店(64 件、同 30.6%増)などで増加。
サービス業(172 件、同 15.4%増)は、ソフトウェア業(17 件)が前年同月の 2.9 倍に増加し、
業種全体を押し上げた。
一方、運輸・通信業(21 件)は前年同月と同数、不動産業(23 件、前年同月比 8.0%減)
は唯一前年同月を下回った。
人手不足が原因での倒産の業種別データがこちらです。
小売業は消費低迷もあり、倒産件数が大幅増となりました。
地方から出ていく若者の悩みは公務員以外の職種に魅力が無いこと
地方の人口が減少することで魅力的な求人も減少し、
需要が少ないので、求人の種類も少なくなります。
地方での魅力的な求人は公務員のみ、という状況があります。
公務員以外の魅力的な求人が少ないので、さらに都市部に人口が流出します。
公務員ほどの福利厚生と労働条件と給料を用意できる会社が、
地方にはそれほど多くないのだと思われます。
都会に流出した人材を田舎に呼び戻す為には、
帰ってきてもらえるだけの高賃金の給料の提示や従業員の新しい働き方の導入が必要です。
例えばリモートワークによる勤務やフレックスタイム・時短勤務の導入などで、
都会へ流出した優秀な人材を囲い込むことが必要です。
地域密着型の中小企業ができる人手不足を解消する方法
リファラル採用
地域密着が根付いている企業の場合は、リファラル採用が可能になります。
リファラル採用とは、自社の社員に友人や知人を紹介してもらい採用する方法です。
縁故採用とも混同されますが、
縁故採用は実力に関係なく紹介された従業員の身内を採用するイメージですが、
リファラル採用は、実力を発揮できそうな従業員の知人や友人を紹介し、
採用面接や面接を経て採用するイメージです。
地域限定採用
地域限定型社員・・・勤務地を限定した契約を結んでいる正社員のこと
地域限定採用のメリットは、転勤を伴わないことで転勤を望んでいない人を採用することができます。
そして採用地域が限定されていることから、その地域に根付いている人を採用できるため、
その地域のニーズに合うサービスを提供しやすくなり、地元の顧客獲得にも繋がります。
地方自治体が企業と一緒に取り組むべき人手不足対策
地方の中小企業が、人手不足対策を講じる際に、地方の自治体と一緒になってできることは、
「地方創生」(東京への一極集中を是正し、地方の人口減少に歯止めをかけていく政策)
に絡めた(※ 地方創生https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9C%B0%E6%96%B9%E5%89%B5%E7%94%9F )
採用活動が有効です。
例えば、地方の暮らしやすさを全面にアピールして、
30代40代の子育て世代に自然の中で子どもを育てる提案をしたり、
美味しい食べ物や綺麗な空気をアピールし、
仕事をきっかけとして地方に移住したいと思って貰うことが出来れば人手不足も解消されていくのではないでしょうか。
この地方創生による採用活動を、中小企業単独で行うのではなく、
地方自治体と連携して行うことで、より効果が高まります。
中小企業のみではできなかった施策が、地方自治体が関わることで可能になりますし、
お互いに採用に向けて、移住に向けて役割を分担し、
補完しあうことができれば地方の人手不足は改善が見込まれるはずです。
地方には独自の魅力的な地域がたくさんあります。
そういった場所に様々な企業を誘致することが出来れば、
働く人も地域も両方が潤う形になるのではないでしょうか。
地方への企業誘致には様々なメリットがあります。
1.地元で新たな雇用が生まれる
2.新たな需要が生まれる 例)発注需要、近隣飲食店のランチタイム・ディナータイム利用需要
3.関連業者の売上増 例)オフィスや工場の建設によって新規受注が発生
企業の地方進出は企業にとっても従業員にとってもメリットがありますので、
ぜひ会社の地方への進出を選択肢の一つとしてご検討されてみてください。
政府に対して労働力不足を嘆く前に
中小企業がなかなか人手不足が改善しないことを、
国や政府に対して文句を嘆く前に、ご紹介したような様々な施策を実行してみてはいかがでしょうか。
問題を嘆くだけでは現状は変わりません。
問題点を洗い出して、対応策を考え、次々実行していきましょう。
経済産業省が人手不足の対応事例をサイトに掲載していますので、
ぜひ参考になさってみて下さい。
※出典:経済産業省
中小企業・小規模事業者の人手不足への対応事例集https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9C%B0%E6%96%B9%E5%89%B5%E7%94%9F
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