【中小企業必見】新しい採用手法8選!メリット・デメリットから選び方のコツまで解説

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「ハローワークや求人広告とは違う採用手法を知りたい」「新しい採用手法にチャレンジしたいけど、何からはじめれば良いかわからない」

このようなお悩みを抱えていませんか。少子高齢化により労働人口の減少が進む中、人材不足による影響が深刻化しています。

人材紹介や求人広告に掲載するも応募すらなく、どうにか採用しても長続きせず辞めてしまうなど、人材確保に頭を抱える経営者は少なくありません。もはや一部のネームバリューがある企業しか人材を採用できないのでしょうか?

しかし、時代は進化しており、現在では新しい採用手法が次々に登場しています。上手く活用すれば、優秀な人材確保はもちろん、採用コストの削減にもつながります。

そこで今回は新時代の採用手法を8つ紹介しますので、ぜひ参考になさってください。

新しい採用手法が注目される背景

これまで企業の採用活動といえば、ハローワークや求人メディアの活用、人材エージェントの斡旋が中心でした。もちろん、現在でもそれらが採用活動の主軸であることには変わりません。

しかし、近年ではこうした従来型の採用手法とは全く異なる新しい採用手法が注目を集めています。その背景を見ていきましょう。

人手不足の深刻化と採用コストの上昇

国内では少子高齢化により労働人口が減少し続けているため、従来の採用手法だけでは人材確保が難しくなっています。

それに伴い採用コストも年々増加しています。リクルートが発行した「就職白書2020」によると、2019年における新卒の採用単価は93.6万円、中途採用では103.3万円となっています。

2020年以降はコロナ禍の影響で一時低下したものの、現在はコロナ禍前の水準まで戻っています。こうしたことから大手企業ほど資金力がない企業は、新しい採用手法を検討し始めています。

働き方改革やオンラインサービス・SNSの普及

働き方改革による企業DXの普及により、オンラインを活用した新しい採用手法が登場し始めました。さらにコロナ禍による生活様式の変化も影響し、オンライン主体のコミュニケーションが急速に普及しています。そのため採用活動においてもオンラインを通じて行われることが一般化しつつあります。

また、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の活用も新しい採用手法として注目されています。SNSと聞くと「使っているのは若者だけだろう」と感じる方もいるかもしれませんが、総務省の「情報通信白書」によると、SNSの活用は全年齢層で78.7%にものぼります。

60代でも71.7%の利用率ですので、もはやSNSは社会全体に普及しているといっても過言ではありません。

出典:情報通信白書令和4年版|総務省

こうしたことから、SNSを活用したサービスが次々に登場しており、とりわけ人材採用分野においても、SNSによる新しい採用サービスが注目されています。

新しい採用手法を8つ紹介

オンラインサービスやSNSが普及したことで、近年新しい採用手法が次々に登場しています。
どの手法も上手に活用すれば、今まで出会ったことのない人材と巡り会える可能性を秘めています。ここでは具体的な採用手法として8つ紹介していきます。

1.ポテンシャル採用

従来の経験やスキルに重きを置くのではなく、個人の人柄や素養、適応力といった潜在的な能力(ポテンシャル)を評価する採用方法です。これにより、長期的な視点で企業に貢献できる人材を発掘できます。また、多様な人材を採用することで、開放的な組織文化が醸成されます。

<企業事例>
新卒・既卒・就業者問わず、応募時30歳以下かつ入社時18歳以上であればだれでも応募可能(ヤフー株式会社)
IT業界・職種未経験で、募集要項の要件を満たしていない方でも興味があれば応募可能(サイボウズ株式会社)

2.ダイレクトリクルーティング

求職者の職務経歴などが登録されたデータベースをもとに、企業が直接求職者にアプローチし、応募・面接を打診する方法です。

ターゲットとする人材に効率的にリーチできるため、採用成功率の向上が期待できます。

<企業事例>株式会社ザイマックス:ペルソナに合う候補者へ直接オファーを送信し、ナビサイトからの流入を約4倍にアップ
参照:株式会社ザイマックス(OfferBox活用事例)

株式会社グランドジャパン:求人広告から直接オファーに切り替えたことで、20代人材の応募数が増加し、採用成功を実現
参照:株式会社グランドジャパン(type採用事例)

3.リファラル採用

社員が知り合いや友人を推薦することで採用する方法です。既存の社員が推薦するため、企業文化に適合した人材が見つかりやすいとされています。

既存社員のネットワークを活用するため、転職潜在層の掘り起こしや採用コストの抑制が期待できます。

<企業事例>株式会社アンドパッド:リファラル経由で選考に進んだ候補者の90%が内定承諾という効率の良い採用を実現
参照:リファラル採用の成功事例10選|成功企業に共通する3つの要素とは

キャディ株式会社:全社ミーティングでリファラル採用について定期的に発信し、社内チャットツールでも活動報告を継続したところ、3ヶ月で6名の採用に成功
参照:3ヶ月で6人採用。社員の6割が参加する、リファラル採用の空気づくり

4.タレントマネジメント

従業員の能力や適性を把握し、適切な役割に配置することで人材を活用する方法です。これにより、社員のスキルを最大限に引き出し、企業全体の生産性向上につながります。

また社員のモチベーション向上にもつながるため、社内での長期的なキャリア形成も期待できます。

<企業事例>株式会社グローバルキッズ:タレントマネジメントシステムを導入し、離職理由の情報をデータ化して傾向を把握し、採用のミスマッチを抑制
参照:株式会社グローバルキッズ(カオナビ導入事例)

アビリティーセンター株式会社:人事評価シートや評価ワークフローをシステム化し、人事評価業務にかかる手間を1/10に削減。目標設定や評価に時間を使えるようになった。
参照:アビリティーセンター株式会社(カオナビ導入事例)

5.就活アウトロー採用

就職活動をあえて行わず、新卒採用の枠組みから外れた学生を「就活アウトロー」と呼びます。従来の新卒一括採用のように、「たくさんの応募を集めてふるいにかける」という形式ではなく、学生のありのままの姿を受け入れながら、お互いにフィット感を確かめたうえで採用する手法です。

企業内でワークショップやイベントを開催し、カジュアルでフランクな形で企業と若者が関わることで、気になった求職者に対して企業からオファーします。

<企業事例>アクセンチュア株式会社:NPO法人キャリア解放区と共同し、新しい感性を持つ若者が企業との対話を通じて、個性を活かしながら働ける職場を見つけれる機会を提供
参照:若者の個性を活かす就活アウトロー採用プロジェクト(アクセンチュア)

株式会社ゲットイット:ダンサー志望でほとんど学校に行っていなかった新卒学生(就活アウトロー)に対して、真摯に向き合ったことで動機形成を実現
参照:株式会社ゲットイット|メンバーインタビュー

6.アルムナイ採用

過去に退職した社員(アルムナイ)を再び採用する方法です。既に企業の文化や仕事内容を理解しているため、すぐに業務に取り組むことができます。

また退職後に他の企業で得た経験や知識が企業内にフィードバックされるため、事業成長の促進が期待できるでしょう。

<企業事例>KPMGコンサルティング株式会社:退職メンバーが現役社員と交流し、会社の変化を知る「アルムナイコミュニティ」導入するなど、戻りやすい風土を醸成
参照:KPMGコンサルティング株式会社(アルムナビ インタビュー)

横河電機株式会社:在職者だけではなく、退職した人も応援するために「アルムナイ・ネットワーク」を立ち上げ、100人100通りの働き方ができる会社へと変化
参照:横河電機株式会社(アルムナビ インタビュー)

7.逆採用

求職者が企業に応募するのとは逆に企業側が求職者にアプローチする手法です。求職者は逆採用サイトなどに、「自分の強み」や「これまでの経験」といった自己紹介プロフィールを掲載し、それを見た企業側が直接アプローチします。

ダイレクトリクルーティングの一種ですが、逆採用は主に新卒採用で用いられることが多い手法です。これまで一般的だった、企業が学生の応募を集めるといった一括採用形式とは反対に、企業側が学生に積極的にアプローチするため、企業規模や知名度にはこだわらない学生を取り込むことが可能です。

<企業事例>株式会社ビーウェル:エントリーシートを事前に提出した学生の自己PRに対し、企業がオファーを出し学生が承認すれば面談が確約するという逆採用イベントを開催
参照:株式会社ビーウェル 逆求人型イベント開催事例

J:COM株式会社:逆求人型サービスを導入し、自社が欲しい人材のステータスを設定し、マッチする人材へオファーを送る仕組みを構築。求める人材の母集団形成に成功
参照:J:COM株式会社(TECH OFFER 導入事例)

8.ソーシャルリクルーティング

SNSやオンラインコミュニティを活用して求職者を探し、採用する方法です。求職者とよりカジュアルな形でコミュニケーションが取れ、企業の魅力を伝えやすくなります。

採用手法としては比較的新しい手法なので、ミレニアル世代やZ世代など、若い世代の求職者に自社をアピールできます。

<企業事例>大京警備保障株式会社:TikTokアカウント開設からわずか1年でフォロワー9万7000人以上獲得。社員平均年齢50代かつ採用難易度の高い警備会社にもかかわらず、採用広告費ゼロで採用に成功
参照:大京警備保障株式会社(TikTok公式note)

株式会社あいホーム:宮城県に本社を置く工務店ですが、新型コロナウイルスの猛威がふるう中でも、InstagramとYouTubeを活用し自社の魅力を発信。オンライン会社説明会には就活生100名以上の集客に成功
参照:従業員70人の地方企業が「就活生100人」を集めた、インスタ採用術の極意(ダイヤモンドオンライン)

新しい採用手法のメリット

新しい採用手法は、今までの採用活動にはないメリットがあります。特に大手企業ほど知名度がなかったり待遇に魅力がなかったりする企業であれば、より多くのメリットを享受できるでしょう。ここでは主なメリットを3つ紹介します。

よりターゲットに合わせたアプローチが可能

新しい採用手法は、従来の方法と比べて、求職者との直接的なコミュニケーションが取れるため、より適切な人材にアピールできます。

例えばダイレクトリクルーティングやソーシャルリクルーティングでは、直接求職者にアプローチできるため、自社の魅力を存分に伝えることができます。

企業の魅力や文化を強調できる

新しい手法では、企業の魅力や文化をより具体的に伝えることができるため、求職者と企業のマッチング精度が高まります。

結果として早期離職を抑制し、定着率の向上につながる可能性があります。

採用コストの削減

リファラル採用やソーシャルリクルーティングのような一部の新しい採用手法では、採用コストを削減できる可能性もあります。

もし一人でも採用につながれば、本来かかるはずだった採用コストが丸々抑制できたことになります。

新しい採用手法のデメリット

従来の採用手法と比べて、新しい採用手法は多様な人材を確保できる可能性があります。一方、新しい採用手法に取り組む際はあらかじめ念頭におくべき注意点もあります。

デメリットを理解した上で、自社が導入すべきかどうか慎重に検討していきましょう。主なデメリットを3つ解説します。

成功率が不確実である

新しい採用手法は登場して間もないため、導入している企業や実績が少なく、従来の方法と比べて成功率が不確実であることが挙げられます。

事例も少ないため、チャレンジすべきか躊躇する企業も多いでしょう。

導入・運用に伴う手間とコスト

新しい採用手法を導入するには、従来の方法と比べて運用の手間やコストがかかる場合もあります。

思いも寄らない事態が起こる可能性もあり、成果が出るまで時間と労力がかかることを念頭に置いた方が良いでしょう。

企業の対応力や柔軟性が求められる

新しい採用手法を効果的に活用するためには、企業の対応力や柔軟性が求められます。ある意味、失敗を省みずにトライ&エラーを繰り返すといったスピード感が重要になるため、企業文化によっては適さない場合があります。

採用手法を選ぶ際の5つのポイント

採用活動予算や人員体制などリソースが限られている場合でも、企業規模や状況に応じて採用手法を取り入れましょう。その際、複数の採用手法を組み合わせることも有効です。

ここでは新しい採用手法を選ぶ際に考慮すべきポイントを紹介しますので、ぜひ参考になさってください。

1.企業のニーズと目的を明確にする

求める人材のタイプやスキル、企業の成長戦略に沿った人材確保が重要です。それによって、どの採用手法が最も効果的かが見えてきます。

2.予算とリソースを考慮する

中小企業では予算や人員といった社内リソースが限られているため、効率的かつ効果的な採用手法を選ぶことが重要です。採用手法にかかるコストとリターンを比較検討しましょう。

3.企業文化との整合性を考慮する

自社の企業文化や働き方にマッチした人材を採用することで、定着率が向上し、長期的な成果が期待できます。採用手法が企業文化に合っているか確認しましょう。

4.採用プロセスの効率化

新しい採用手法を導入する際は、採用プロセス全体の効率化を図ることが重要です。既存のプロセスと新しい手法をうまく組み合わせ、効果的な人材確保ができるようにしましょう。

5.フィードバックを活用する

採用活動の結果や、従業員のフィードバックを収集・分析し、改善点や新たなニーズに応じて採用手法を見直しましょう。継続的に採用活動を最適化することが大切です。

まとめ

今回は新しい採用手法から、メリット・デメリット、選び方のポイントまで解説しました。少子高齢化に伴い、国内の労働人口の減少に歯止めが効かない中、多くの企業にとって人材採用は経営課題に直結します。

とりわけ大手企業ほどネームバリューやリソースが乏しい中小企業にとって、新しい採用手法は優秀な人材を確保するためにも、積極的に取り組むべきと考えます。

また、今回紹介した新しい採用手法は、1つにこだわる必要はなく、複数の採用手法に取り組むことも大切です。

もちろん、はじめはなかなか思うようにいかなかったり、採用を諦めかけたりすることもあるでしょう。しかし、あなたの会社が創業して今まで様々な壁を乗り越えながら成長してきたように、新しいチャレンジもきっと実を結ぶ日が来るはずです。

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